オードリー
先々週の土曜日、“神保町ブック・フェスティバル”の会場で偶然に出逢ったオードリー・ヘップバーンの評伝、アレグザンダー・ウォーカー著/斎藤静代訳『オードリー : リアル・ストーリー』(アルファベータ)を読了しました。
A5判サイズながら二段組で400ページという“なかなかのボリューム”だったのですが、ひとたび読み始めるとあまりの面白さに最後まで一息に読み終えてしまいました。
この稀代の名女優の生涯を文字通り“大河ドラマ風”に記した一代記だったのですが、過剰に感情移入したところが無くむしろ淡々とした筆致で書き綴られていたのが、かえってそのドラマチックな「生きざま」を際立たせる結果になっていた様です。
本文は“全24章+短いエピローグ”から成っているのですが、一番印象深かったのは第23章の「親善大使物語」から「エピローグ」までの30ページ程。特にオードリーの葬儀の様子をただただ淡々と描写して行くエピローグでは、不覚にもすっかり涙腺が緩み切ってしまいました。
22章までにタップリと描かれる“スターとしてのオードリー像”と、23章以降の社会活動家・・・というよりもまさに“人間としてのオードリー像”とのギャップが大きいだけに、エピローグの儚(はかな)さが一層胸に迫るのでしょう。
何れにせよ、読んでいると「オードリーの映画が観たくて堪らなくなって来る」こと請け合いの一冊でした。宜しければ是非ご一読を。
*原書 : " Audrey - Her Real Story " by Alexander Walker
- 作者: Alexander Walker
- 出版社/メーカー: Orion (an Imprint of The Orion Publishing Group Ltd )
- 発売日: 1995/08/07
- メディア: ペーパーバック
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