蒼風閑語

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提喩詩人

この欄でも収録されていた作品をいくつか引用・御紹介した事のある米国の詩人 Robert Frost の名作集、"Robert Frost's Poems" (St. Martin's Paperbacks) を読了しました。

300ページ程の中におよそ100編あまりに及ぶ著名な詩作の数々が収められており、氏の有名な作品のほとんどを本書で味わう事が出来るのですが、それらを愉しむ上で大いに助けになったのは Louis Untermeyer 氏による序論と作品解説でした。

フロスト氏の作風を指して 「"synecdoche" (提喩法)」と呼び慣わす事などもこの解説によって本書の早い段階で紹介されていたので、鑑賞する際に着目すべきポイントを見落とす事無く読み進められた気がしています。

ちなみにこの「提喩法」というのは辞書によると、

【ていゆ‐ほう】 提喩法

修辞法のひとつ。全体の名称の代わりに一つの代表的・特徴的な名を提示したり、またその反対に、全体の名称を提示してその一部を表したりするもの。「小町」といって「美人」を、「花」といって「桜」を表す類。

学習研究社『国語大辞典 第二版』より抜粋)

との事。よって "Synecdochist" たるフロスト氏は、我が国に於いては「提喩詩人」と呼ばれているのだそうですよ。

Robert Frost's Poems

Robert Frost's Poems

  • 作者: Robert Frost,Louis Untermeyer
  • 出版社/メーカー: St Martins Mass Market Paper
  • 発売日: 2002/03
  • メディア: マスマーケット
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