蒼風閑語

ll_bluewind_llのひねもすのたりのたり

春の古本祭り

時折吹く北風はとても冷たいのですけれども、明らかに春の暖かさを含んだ陽射しの中、神保町の古書店街を歩きました。

街は折りしも“2009年春の古本祭り”を開催中で、靖国通り沿いの歩道には各古書店からの出品が満載されたワゴンがずらりと並んでいます。

人混みの中、体を滑り込ませる様にしながらあれこれと「出物」を物色していると、あるワゴンの中に凡そ十数冊程の“新日本古典文学大系”(岩波書店)が出品されているのを見つけました。

どれどれとばかりに函から取り出して中身を検めてみると、どの本も新古書クラスと言ってよい良好なコンディションの上、見返しに貼り付けられた値札を見れば何れも相場に比べて少しばかり安価でもあります。

コレは問答無用だな・・・と思い立ってすぐさま買い求めておく事にしたのは、『枕草子』と『新古今和歌集』という定番中の定番2冊。

枕草子』は全集の中でも比較的よく読まれているので意外と本体にダメージを負っている事が多く、『新古今和歌集』の方は鑑賞・創作・研究のいずれにおいても必読書となっているせいか、あまり安くはならない事が多いのです。

やったね!と思いもかけなかった収穫にすっかり気を良くし、この2冊を収めてズッシリ重くなったカバンを右に左に持ち換えながら、グンと冷え込んで来た古書の町を後にしたのでした。

枕草子 (新 日本古典文学大系)

枕草子 (新 日本古典文学大系)

 
新古今和歌集 (新 日本古典文学大系)

新古今和歌集 (新 日本古典文学大系)