蒼風閑語

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アキレスとカメ

しばらく前に小島寛之氏のブログで紹介されていたのを見て買い求めた、吉永良正・著/大高郁子・絵『アキレスとカメ―パラドックスの考察』(講談社)を読了しました。

内容の詳細については小島氏のブログを御一読頂きたいのですが、「アキレスはカメに永遠に追いつけない」という有名な“ゼノンのパラドックス”についてこれ以上無い位に易しく優しく解説した、とても楽しい一冊です。

キチンと説明しようとすると意外と面倒なこの問題の解法について、「算数的解き方」「数学ⅠA的解き方」「数学者による解き方」と三つの段階に分けて紹介した後で、ちゃんと「文系の人の考え方」までフォローしている周到さ。

しかも重要なポイントでは必ず大高氏のカラフルなイラストが挿入されて、文章だけだと少うし解りにくいのではと思われるところを、感覚的に理解し易い様巧みに手助けして下さいます。

もう少し内容について詳しく御紹介したいところですけれども、何と言っても全体で120ページそこそこしかない短いお話なので、下手に要約したり引用したりするとアッという間に「ネタバレ」になってしまいそう。

もしも興味を持たれた方がいらっしゃったなら、是非書店などでお手に取って見られる事をお薦めしておきたいと思います。

アキレスとカメ

アキレスとカメ