蒼風閑語

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地球環境論

半年ばかりを費やして第1巻・第2巻と読み継いで来た、“岩波講座地球惑星科学”の第3巻『地球環境論』を読了しました。

この3冊を以って、全14巻からなる当該講座の「入門編」について一通り目を通し終えたという事になるのですが、何とも密度の濃いイントロダクションだったと言えるでしょう。

全体の構成は、第1章「地球環境論をめぐる諸問題」、第2章「地球資源問題」、第3章「水惑星としての地球」、第4章「氷期と将来の地球環境変動」、第5章「地球温暖化」、第6章「オゾン層の破壊」、第7章「地表環境の変化」という流れ。

個人的には、小池俊雄氏が書かれた第3章、時岡達志氏による第5章、岩坂泰信氏が筆を執られた第6章辺りに特に引き込まれましたが、他の章も本書刊行の1996年までの知見ながらそれぞれがとても興味深い内容となっていました。

折りしもコペンハーゲンでは、“国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP15)”が開催されていますが、会議の経過を伝える報道を見聞きするにしても「何故今それを話し合っているのか」を知っていると情報の本質を捉え易くなります。

本講座の“大トリ”に据えられている第14巻の『社会地球科学』辺りにも目を通しておくと、更に現状の問題点が見え易くなるのかも知れません。

地球環境論 (新装版 地球惑星科学 3)

地球環境論 (新装版 地球惑星科学 3)