蒼風閑語

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量子力学入門

半月程前だったでしょうか、新書系の品揃えが充実している古書店で見付けて買い求めた、並木美喜雄氏1992年の著作『量子力学入門―現代科学のミステリー』(岩波新書)を読了しました。

ホンの数年前までは新刊書店でも普通に見掛けていたのに、ふと読みたいなと思った時には既に品切れ状態。どこかで出逢えればイイなぁと考えていたところへ、ちょうど状態の良いものが見つかったのでした。

1980年前後からそこに焦点を当てた研究をなさって来られたというだけあって、本書では紙幅のほぼ半分近くを費やして“量子力学における「観測問題」”が、歴史・理論の両面からかなりの詳細さでもって語られています。

一般的にはむしろこの「観測問題」から量子力学に興味を持ち始める・・・というケースも多いのではないかと思うのですが、日本の研究現場では今や完全に“時代遅れ”のテーマとしか認識されていないのだとか。

本書の初版第1刷が刊行されてから既に20年近くが経過していますが、現在の「観測問題」に関する研究は一体どんな状況になっているのか、最新の報告を目にしてみたい気がとても強くしています。

ともあれ、「入門」と銘打ってあるのが不思議な位“読み応え充分”の本当に面白い一冊でした。

量子力学入門―現代科学のミステリー (岩波新書)

量子力学入門―現代科学のミステリー (岩波新書)