蒼風閑語

ll_bluewind_llのひねもすのたりのたり

ハンド・メイド

二十四節気のひとつ「小満」を過ぎたばかりの昨日、近所の中古雑貨店で開催されたインストア・ライヴに足を運んで来ました。

この界隈では既に恒例となりつつあるこのイヴェントも早5回目となり、今回は開店から2周年のお祝いも兼ねたアニヴァーサリー・セッションです。

そもそもが店内の商品を陳列棚ごと一時的に撤収し、その空いたスペースに椅子を30ばかり並べて行っている小ぢんまりとした催しなので、会場のノリは常にアット・ホームなもの。

しかも今回は、渋いブルーズやジャズ以外に「日本の懐メロを歌おう!」という主旨のセットが組み込まれ手作りの歌詞カードまで用意されていたので、会場はさながら古(いにしえ)の「歌声喫茶」状態。

赤ん坊からお年寄りの方までという幅広いオーディエンス層を見越して、選曲も文部省唱歌から始まって70年代フォーク、有名な昭和歌謡に至るまで幅広く用意され「さすが!」と唸ってしまう程の絶妙さ。

これを現役バリバリのブルーズ・シンガーが一通り丹念に歌い上げてから、再びフル・コーラスを観客に預けて唱和させるという、ある意味では何ともゼイタクな試み。

個人的に「おお!」と思ったのは、北原白秋の手による『ゆりかごの歌』と林古渓が書いた『浜辺の歌』という2作品。歌詞の圧倒的な美しさと比類の無い完璧なメロディ・ラインに改めて魅了され、曲に対する認識を新たにした次第。

ライヴの終演後は例によって打ち上げ会場にお邪魔して、出演者やスタッフの方々との音楽談義に花を咲かせていたのでした。

本当に素敵な手作りライヴ。末永く続いて行って欲しいものです。