アルバータの夜
今夜部屋の中に流れているのは Alberta Hunter の歌声。DVDの "My Castle's Rockin'" にノックアウトされてすぐさま追加注文したCD "Downhearted Blues" が到着したのです。
帰宅してからすぐに聴き始め、聴き終わったら再びリプレイし、夕食を摂りながらもずっと愉しみ、食べ終わったら再び耳を傾ける・・・。
内容はDVDに収録されていた録音の「コンプリート・ヴァージョン」とでもいうべきもので、同日のグリニッチ・ヴィレッジはザ・クッカリーでのライヴ・パフォーマンスが全18曲、約70分間に渡ってギッシリと収められています。
DVDの時も再生を始めた途端に部屋の空気感が一変しましたが、CDの場合は映像が無い分イメージが固定されないので、さらに濃密で自由な音世界が充満する感じでしょうか。
MCと演奏との間に判然とした境目が無く、お喋りをしながらいつの間にか曲に入っていく辺りのステージ運びの巧みさも、いかにも叩き上げのブルーズ・シンガー然とした面持ちで何ともクール。
プレイについては今は絶賛の言葉しか出てこないので曲目に関する情報をひとつだけお知らせしておけば、DVDのみの収録となるのは "Black Shadows" 1曲だけで、他のナンバーは全てCDの方にも収められています。
動く Alberta の姿を存分に愉しめるDVD、声と音楽をより深く味わう事の出来るCD、共に貴重でどちらも素晴らしい。
1895年4月1日メンフィス生まれのブルーズ・シンガーにすっかり参っている水無月の夜です。