蒼風閑語

ll_bluewind_llのひねもすのたりのたり

物理法則を考える

先だって入手のいきさつをお知らせしておいたサイエンス社の雑誌『数理科学』のバック・ナンバーから、1990年の5月号(特集「物理法則を考える」)を読了しました。

夜寝る前、布団の中で読むのにちょうど良さそうな4~5ページの解説記事が13本、寝付きの良くない日は2本3本と読んでしまえるし、そうでない時は一本読みきらない内に夢の中という日も。

親しみ易いもの、取り付き難いもの、完結感のあるもの、尻切れとんぼなもの・・・収められている記事はそれぞれが様々な顔を持っていますが、どの文章にも共通しているのは必ずその先にある世界を覗いてみたくなる事。

つまり、この雑誌に収められている短いテキストがリード文代わりになって、シッカリと書かれたた成書なり論文なりにちゃんと目を通したくなってくる・・・という事です。

やはりその道のエキスパートでなければ導き出せない論点や、思い至る事の叶わぬ視点というものは厳然としてある様で、要約やイントロダクションでありながら“ただの暇つぶし”に終わらせない力量は「さすが!」の一言に尽きます。

掲載記事のタイトルを少し列挙しておくと、「物理法則を考える」、「天の法則・地の法則」、「物理法則と非線形性」、「力の本質を秘める逆2乗則」、「保存則について」、「最小作用の原理」、「相転移と漸近的法則」、「量子力学における特異性」・・・・。

何だかこうしてタイトルを眺めるだけでワクワクして来ますけれども、実際に目を通し始めると手近にある物理学の専門書を手に取らずにいられなくなりますよ!