蒼風閑語

ll_bluewind_llのひねもすのたりのたり

弥生の晦日

今日の東京地方はちょっとした「春の嵐」。遅れて来た春一番が吹き荒れたものか、主要な交通機関にも影響を及ぼす程の強風でした。

何でも都心で観測された最大瞬間風速は28.5メートルを記録したそうで、もしこれが春分の日前であれば「春一番」となっていたのは間違いの無いところです。

当然ながらこんな悪天候の日に外出したところでロクな事にはならないので、今日は終日を“本と音楽とコーヒー”の為に費やすことに。

先日のマーラーでどうも「大曲(たいきょく)脳」が活性化されているみたいで、自宅のCD棚を眺める視線も交響曲やオペラの全曲盤の上を彷徨いがち。

淹れたて熱々のコーヒーを啜りながら暫し考えて選んだのは、ベーム指揮ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団・合唱団によるモーツァルトの歌劇『フィガロの結婚』の全曲盤でした。

CD3枚組で演奏のトータル・タイムは3時間近くになる大作ですが、冒頭の序曲が始まると同時に耳が離せなくなって結局最後まで聴いてしまうのはいつもの事。

今日も曲目解説と歌詞対訳の掲載されたブックレットを片手に全4幕を残らず堪能。何から何まで総てにおいて素晴らしい演奏を心行くまで愉しみました。

夕食の後には改めてドビュッシーピアノ曲など。春の嵐のおかげで期せずしてクラシカル・ミュージックの鑑賞会になった「弥生の晦日」だったのでした。