蒼風閑語

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やっかいな放射線と・・・

学習院大学田崎晴明氏が近頃上梓なさった、『やっかいな放射線と向き合って暮らしていくための基礎知識』(朝日出版社)を読了しました。

装丁は少し大きめのB5判ソフトカバー、白地にパステル・グリーンと黒で書かれたタイトル、そして長崎訓子さんの筆による可愛らしいイラストが目印です。

内容はもう本当に、このちょっと長めのタイトルそのまんま。“やっかいな放射線”とは、なぜ、どんな風に「やっかい」なのか。そしてその“やっかいなもの”と、私達はどの様に対峙して行くべきなのか。

東日本大震災とそれに伴う原発事故をきっかけに、著者の田崎氏御自身が改めて原子力について考察なさったというその結果が、この一冊にに結実しているのではないかと思います。

恐らく本書を手に取ってジックリ読んでみられた方であれば、原発事故によって私達の身の周りに“起きてしまった事”とそれらの“意味するもの”とが、かなりのところまで“正確に”理解出来るのではないでしょうか。

内容については私がここで下手な要約をするよりも、皆様御自身で実際に目を通してみられる方がずっと確実でハナシが早いのではないかと。それ位に判り易く噛み砕いた解説になっています。

そうそう、本書の表紙の隅っこには、こんなフレーズがリード文代わりに記されていました。これがこの本の内容と性格を端的に表わしていると思いますので、そのまま引用しておく事にしましょう。

 “安全か危険かではなく、 何がわかっていて 何がわかっていないかを、 じっくりと、 ていねいに。 中学生以上の すべての人へ。”

本当の意味で“面白くてためになる”稀有な一冊・・・お薦めです!

やっかいな放射線と向き合って暮らしていくための基礎知識

やっかいな放射線と向き合って暮らしていくための基礎知識