蒼風閑語

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科学ジャーナリズムの世界

先日の「神田古本まつり」の会場で買い求めていた、日本科学技術ジャーナリスト会議編『科学ジャーナリズムの世界』(化学同人)を読了しました。

全体は大きく7つの部に分かれており、構成はⅠ部「いま、なぜ科学ジャーナリズムなのか」、Ⅱ部「科学を伝えるメディア」、Ⅲ部「科学ジャーナリストの条件」、Ⅳ部「科学ニュースを追う」、Ⅴ部「世界の科学ジャーナリズムはいま」、Ⅵ部「【座談会】科学ジャーナリズムの現場から」、Ⅶ部「科学ジャーナリズム小史」という流れ。

大きく新聞、TV、雑誌、インターネットという4つのメディアで展開されている「科学ジャーナリズム」のあり方を現場で活躍中のジャーナリストに語って頂くという趣向は、ユーザー・サイドからはなかなか接する機会のない世界だけに読んでいて新鮮です。

どのトピックも興味深く面白いものでしたが、個人的に何ともいえず魅力を感じてしまったのは、Ⅴ部に収められていた22章「独自の道を歩む『ニューサイエンティスト』誌」と23章「科学雑誌『PM』誌の成功の秘密」でしょうか。

例えば表紙にしても、『ニューサイエンティスト』誌の「絶対に手に取って貰うぞ!」という迫力、『PM』誌の「コレが面白いんだよ!」と主張する引力・・・共に思わず手に取ってみたくなるパワーみたいなものが漲っている感じです。

決して一概には言えないのでしょうけれども、海外雑誌の個性溢れる誌面にはジャンルを問わず眼を見張るものが多いのも事実。

本書の意図したところからは外れているのかも知れませんが、何故だかそんなところが最も印象に残った一冊だったのでした。

科学ジャーナリズムの世界―真実に迫り、明日をひらく

科学ジャーナリズムの世界―真実に迫り、明日をひらく