蒼風閑語

ll_bluewind_llのひねもすのたりのたり

「白露」の出逢い

空を見上げればそこここにやや不穏な感じの黒雲は見受けられたものの、幸いにも特段の降水には至らずそれなりに快適に過ごす事の出来た一日でした。

そんな随分と凌ぎ易くなった空気感の中、いつもの様に神保町をブラブラと。この街も先週までに比べると心なしか人通りが多くなった感じ。学生さん達の夏休みも大方終わった頃合いなのでしょうか。

久しぶりに覗いた理工書専門店では新入荷の棚に物理学史のテキストを発見。定評ある学部生向けシリーズの中でも比較的最近刊行された一冊です。

新刊書店で見掛けて読んでみたいなぁ・・・と思ったまま再び手にする機会を失っていたものなので、これはなかなか嬉しい出逢い。ざっと状態だけを確認してほぼ即決で持ち帰ることに。

他のお店では第二次大戦中のドイツでの惨事を描いた有名なルポルタージュの新訳版を見付けて、こちらも何となく「今が読み時だぞ!」と本に言われている気がしたのでレジへ運んでおきました。

1947年刊行の原著旧版からだと有に半世紀以上にも渡って読み継がれているロング・セラーで、この新訳版が出てからも既に10年以上が経っているのに今でも平積みされているのをよく見掛けます。

ずっと読みたかった2冊との出逢いにすっかり気を良くして、近頃はずいぶん訪れが早まって来た暮色の中、元気よく古書の街を後にした「白露」の土曜日だったのでした。