蒼風閑語

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環境微粒子と花粉症

去る11月30日(土)に千代田区の都市センターホテル内コスモスホールで開催された、第63回日本アレルギー学会秋季学術大会からの市民公開講座『環境微粒子と花粉症』に出席して来ました。

医療の立場・視点から見た広義の「環境問題」に関する一般向けの講演会・・・といった趣きの催しだったのですけれども、普段あまり接することの無いやや医学寄りの解説が新鮮でした。

プログラムはまず、独立行政法人国立環境研究所理事長の住明正氏による「地球温暖化に伴う日本の気候変動」からスタート。文字通り地球温暖化と気候変動についての簡単なシステムとその概略をギュギュっと凝縮した内容。

続いては同研究所の環境健康研究センター長である新田裕史氏の「日本の大気環境と健康への影響」。昨今話題となっている「PM2.5」などに代表される浮遊粒状物質(SPM)とその健康への影響に関するレクチャー。

そして独立行政法人国立病院機構福岡病院副院長の小田嶋博氏による「粒子状物質とアレルギー疾患」。タバコの煙に含まれるニコチン粒子とPM2.5の主だった粒子のサイズがほぼ同じである事から、喫煙と小児喘息の関連性などを駆け足で。

最後は日本医科大学武蔵小杉病院耳鼻咽喉科部長の松根彰志氏の「日本の花粉症とその治療・管理」。国内随一の耳鼻科医療の拠点である日本医科大のドクターらしい、医療現場に根ざした花粉症の知識と対策を簡潔に。

ここまでが個人の講演で、最後は上記4名がパネリストとなり福岡女学院看護大学学長の西間三馨を司会に加えてのパネル・ディスカッションと簡単な質疑応答による全体の総括・・・という流れでした。

13時~15時という2時間に4つの講演とディスカッションという構成は「盛り沢山」を通り越してかなりの「駆け足」感。それでも最終的に判り易い印象を受けたのは、医療従事者が普段から苦心している「お年寄りにも判る説明」の賜物だったのかな・・・という気がしているところです。