蒼風閑語

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マーラーの夜

今日の朝刊に先頃来日したクラウディオ・アバド指揮ルツェルン祝祭管弦楽団の、作家加賀乙彦氏によるコンサート・レヴューが掲載されていました。

曲目にはマーラー交響曲第6番『悲劇的』という重厚な作品が選ばれており、レヴューを読む限りではなかなか物凄い演奏が繰り広げられていた様です。

加賀氏は演奏終了時の様子を「演奏を終えたアバドはしばらく両手を垂れて動かず、会場も静まりかえっていた。次の瞬間、拍手が爆発した。」と伝えており、この描写からも今回の演奏が特別に稀有なものであった事が分かります。

残念ながら感動のあまり聴衆が拍手すら忘れてしまう程の生演奏には未だ出会った事が無いのですが、いつかこんな場面に立ち会ってみたいものだと思いながらラファエル・クーベリック指揮バイエルン放送交響楽団のCDで同曲を聴いていた秋の夜でした。

マーラー:交響曲第6番「悲劇的」

マーラー:交響曲第6番「悲劇的」