水無月のマノン
どんよりとした分厚い雲に覆われた灰色の空の下、今日はいつもの様に神保町歩きを愉しんでいました。
古書店巡りの方が何だか今ひとつ興が乗らない感じだったのでこちらは早々に切り上げて、足は自然に馴染みの中古盤屋さんへと。
月が改まってから最初の訪問なので何かシッカリとした聴き応えのあるものを・・・と物色していたところ、プッチーニの出世作とも言われる歌劇『マノン・レスコー』の国内盤を見つけました。
トゥリオ・セラフィン指揮ミラノ・スカラ座管弦楽団による演奏、歌はタイトル・ロールがマリア・カラス、兄レスコーにジュリオ・フィオラヴァンティ、騎士デ・グリューにジュゼッペ・ディ・ステファノといったところが主な顔触れ。
解説書を捲ってみれば、どうやらカラスとディ・ステファノのコンビによるオペラ全曲録音としては最後のものにあたる様でレコーディング・データは1957年となっています。
コンディションについてもタスキとケース内のスポンジ・クッションが欠けていますが、その分価格は1000円ソコソコに抑えられており随分とリーズナブルです。
ついでに交響曲のコーナーにも回って、カール・ベーム指揮バイエルン放送交響楽団の演奏によるブルックナー『交響曲第7番』のライヴ録音を追加。今回はこの2作品を持ち帰る事になりました。
その足で立ち寄ったコーヒー・ショップで、『マノン・レスコー』付属ブックレットに収録の黒田恭一氏による解説を読み耽っていた水無月の土曜だったのでした。