蒼風閑語

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明日は「草市」

カレンダーの明日の行事欄に「草市」とありました。寡聞にして初めてのコトバなので早速調べてみることにしましょう。

【くさ‐いち】 草市

盂蘭盆会(うらぼんえ)に必要な花や供え物などを売るためにたつ市。盆市。 〔参考〕市のたつのは必ずしも一日とは限らなかったが、ふつうは陰暦七月十二日の夜から翌朝にかけてたつ。

学習研究社『国語大辞典 第二版』より抜粋)

あ、なるほどなるほど。しかも明後日の13日といえばもう「盆の迎え火」になるのですねぇ・・・。それにしても暦の方でこういったコトバが現れ始めると、実際には未だ梅雨の中にあるというのがいっそ不自然に思えて来る程。

ではもう一つ古語辞典からも見ておきましょう。案の定と言うべきでしょうか、古くからの行事だけあってかこちらの方がより詳しくて面白いカンジです。

お盆の魂祭りの精霊棚に飾る品々を売る市。陰暦七月十二日の夜から翌朝にかけて、蓮の葉や真菰(まこも)・鬼灯(ほおずき)・土器(かわらけ)・麻殻(おがら)・灯籠・瓜・茄子・わら細工で作った牛馬など、盆の支度の品などを売った。盆市。手向けの市。地方によっては花市とも。〔秋の季語〕

小学館『古語大辞典』より抜粋)

一瞬、こんな時節に“秋の季語”?と思ってしまいますが、旧暦の7月12日といえば新暦では8月12日にあたり、つまりは既に「立秋」を過ぎているのです。

それにしても「草市」といい「手向けの市」といい、何とも趣(おもむ)き深く美しいコトバですねぇ・・・。