蒼風閑語

ll_bluewind_llのひねもすのたりのたり

文月の朔日

今日から7月、「文月」です。

御覧になった方も多いと思うのですけれども、今朝の『朝日新聞』のコラム「天声人語」は国語辞典の面白さがテーマになっていました。

本も映画も大ヒットした三浦しをんさんの『舟を編む』の影響もあってか、近頃は「辞書好き」を標榜なさる方も随分と増えて来ている様です。素晴らしい。

私自身“辞書のない生活”というものが考えられない位日常的によく辞書を紐解くのですが、上記コラムにもあった通り、油断していると他の項目まで読み込んでしまって思わぬ時間を取られてしまう事がしばしばあります。

なので具体例として漢字の語源字典である白川静氏の『字統』の名を挙げて、「危険である。一つの文字から関心が広がってきりがなくなる」としていたのには、思わず「それわかる~」と膝を叩いてしまったのでした。

さて、それでは今日も古語辞典を開いてみる事にしましょうか。

【ふみ‐づき】 文月

陰暦七月の異称。「ふづき」「ふんづき」とも。

【ふ‐づき】 文月

「ふみづき」に同じ。「ふつき」とも。

[語誌]「ふみづき」→「ふんづき」→「ふづき」と転じた語であるから、「ふづき」と第二音節を濁ったと考えられるが、日葡辞書・下学集諸本・節用集の一部などには「ふつき」と清んでいるから、両形が行われたのであろう。

(共に『小学館 古語大辞典』より抜粋)