蒼風閑語

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「芒種」のココロ

今日は二十四節気のひとつ「芒種」。『最新気象の事典』(東京堂出版)の語釈によれば、“のぎ(芒)のある穀を播種する意味”という事なのですが、難しい・・・。

それならこちらでと『国語大辞典 第二版』(学習研究社)を引き直してみると、“芒(のぎ)のある穀物、即ち稲を植えるときの意”とやや判り易くなりました。

それにしても、芒種の「芒」の字を“のぎ”と読むとは知りませんでした。“のぎ”と言われて真っ先に頭の中に思い浮かぶのは、いわゆる“のぎへん”として知られている「禾」の字。

せっかくだからと『漢和大字典』(学習研究社)を開いて「芒」の項を見てみれば、字義としてまず“草の葉や穀物の先端の細い毛”とあって、その意味での用例として「稲芒:トウボウ(稲のほさき)」が挙げられています。

とここまで来て初めて、そう言えば“雲の隙間から細く長く伸びた光”を「光芒(こうぼう)」と呼ぶのだったという事実に思い至り、ようやくコトバの意味がストンと腑に落ちた気分になりました。

どうやら、何によらず“細くて長くて真っ直ぐなもの”を表しているのが「芒」の字のココロなのだよ・・・という事になりそうです。