蒼風閑語

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微積分とベクトル解析

3ヶ月程前に神保町の古書店街で見つけた、“理工学者が書いた数学の本”なるシリーズからの一冊、加藤祐輔氏1987年の著作『多変数関数の微積分とベクトル解析』(講談社)を読了しました。

物理数学の中では要諦を為す多変数の微積分とベクトル解析を、主に「応用面」に重きを置いて解説した“懇切丁寧な”内容のテキストでした。

詳しく幅広く書き込もうと思えばいくらでも手を広げ易い分野ながら、取り上げるべきトピックが実にセンス良くセレクトされ、また煩雑と思われる部分の省き方が巧みなせいか、最後までとても見通し良く読み通す事が出来ました。

加えて図版の多さとその挿入ポイントの秀逸さも、直観的な理解を容易にする上で特筆に価する周到さではなかったかと思います。

ただしこの図版サイズがやや“小さめ”でしたので、細かい部分まで仔細に読み取るには、かなりジックリ眺めなければなりませんでしたけれども・・・。

つらつらと本書を読んで改めて、こういった数学のベーシックな部分を明快に説いた解説書には、時期を問わず折に触れ目を通しておきたいなと思ったのでした。

多変数関数の微積分とベクトル解析 (理工学者が書いた数学の本)

多変数関数の微積分とベクトル解析 (理工学者が書いた数学の本)