蒼風閑語

ll_bluewind_llのひねもすのたりのたり

現代幾何学の古典

ここ数日というもの何だか夏が先走っているような「暑い日」が続いていますが、湿度が低めに推移しているのでどちらかと言えばカラッとした陽気。結構気持ちイイです。

こんな日はフラフラと寄り道をしたくなるのが人情というもので、昨日はまたぞろ神保町まで足を延ばしていました。

とはいっても夕方のホンの小一時間の事ですから、訪ねるのは比較的遅くまで開いているお店ばかりになるのですけれども、昨日はそんなお店の一軒でちょっとばかり嬉しい出逢いがありました。

比較的美術・デザイン系の書籍が充実しているお店なのですが、少しだけ置いてある自然科学書を眺めている内に、白いカバーに包まれたやや大きめの一冊が目に留まりました。

今はちくま学芸文庫版が出ているので気軽に入手出来る様になっていますが、それ以前は古書店で見付けても高価でなかなか手が出せなかったベノワ・マンデルブロ著/広中平祐氏の監訳による『フラクタル幾何学』の日経サイエンス社版です。

B5判の横幅を少し広げた感じの、まるで絵本の様なサイズのハードカバー。手にとってパラパラ眺めてみると、やはり図版の大きさ・美しさは文庫とは比較になりません。

何よりこのズッシリとした重量感と存在感は圧倒的な魅力で、結局ほぼ即断でレジへと持ち込んでいました。

昨日はその足で大学の図書館へ行って最初の数章を読み、今日は自宅のデスクでまた数章。フラクタルの提唱者自らの筆による数学エッセイと過ごしている「皐月の夜」です。