蒼風閑語

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散逸力学系入門

やはり10月はこうでなくっちゃ!と、口を突く言葉の端にもビックリマークをサービスしておきたくなる様な、見事に晴れ上がった秋晴れの連休初日。

午前中はボストン・レッドソックスプレーオフの様子を片目で観戦しながら、午後は淹れたてのコーヒーを片手に、最後の一章及び付録を残すのみとなっていたフランスの物理学者ベルジェ、ポモウ、ビダルの共著『カオスの中の秩序』(産業図書)を読み上げました。

散逸力学系としてのカオスについて書かれた書籍を読むなら最初の一冊はコレ!と色々なところで紹介されているのを見てずっと気になっていたのを、暫く前に神保町の古書店で見つけて買い求めていたのです。

筆者らが“まえがき”の中で、「学生諸君や科学的に素養のある一般読者に向けて書かれたものであり、この分野の専門家に向けたものではない」と記している通り、前半で例示される最も典型的な3種類の実験だけを足掛かりに、スッキリと見通しの良い解説が展開されて行きます。

個人的には、大気の運動パターンを説明するのに不可欠な“べナール・レイリー対流”がその実験対象の一つに選ばれていたおかげで、ずいぶんと積極的な興味をもって読み進める事が出来たと感じています。

カオスの「発見者」と言われているE.N.ローレンツの著作『カオスのエッセンス』(共立出版)を既に読了していた事も、理解を一層スムーズにするのに役立ったのかも知れません・・・とかそんな事を考えていると、またぞろ読み返したくなって来るのが困りものではあるのですけれども。

カオスの中の秩序―乱流の理解へ向けて

カオスの中の秩序―乱流の理解へ向けて

 
ローレンツ カオスのエッセンス

ローレンツ カオスのエッセンス