蒼風閑語

ll_bluewind_llのひねもすのたりのたり

夕暮の紀行文

昨日の気象情報で「明日は蒸し暑さがぶり返して来そうです」と言っていたので、今日はそれなりに気持ちの準備をしていました。

・・・が、やはり空気が根本的に秋のものに入れ換わり始めているのでしょうか。何だかまさに「晩夏」という言葉がピッタリ来る感じの、妙に“落ち着いた暑さ”に包まれていた一日でした。

夕方帰宅してから御飯を仕掛けるまでのしばしの間冷たいビールを片手に、ここのところ布団の中で毎晩愉しんでいる“野上彌生子全集”の第十六巻『欧米の旅』(岩波書店)を開いてパラパラ。

上海、シンガポールコロンボを経由して紅海に至り、エジプトから東地中海へと続いて来た旅は、現在イタリアはローマでの逗留となっています。

ややあってふと気が付いてみれば、まだ仄かに明るかった窓の外はいつの間にかすっかり暗くなっています。つい文章の中に引き込まれて、二つばかりの節を読み上げてしまっていたのでした。

いけないいけないと一旦本を置いて慌てて夕餉の支度に取り掛かります。少しばかりホロ酔い加減にもなって来たので続きはまた後程。就寝前のひととき、布団の中でのお楽しみです。