蒼風閑語

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ウタゴコロ

しばらく前に近所の中古雑貨店で買い求めたLPなのですが、セッション・ドラマーの Steve Gadd が1984年にリリースしたファースト・ソロ・アルバム "Gaddabout" (『ガッドアバウト』)がカッコ良くて、夜毎ターン・テーブルの上に載せています。

Steve 以外の参加メンバーは、キーボードに Richard Tee 、ギターに Jeff Mironov 、ベースに Neil Jason 、サックスに George Young 、トランペットにLew Soloff 、バリトン・サックスに Ronnie Cuber という面々。加えてアレンジャー兼プロデューサーとして David Matthews が名を連ねています。

Steve 自身のテクニカル・ドラマーとしてのイメージがあまりに強過ぎたせいもあってか、発売された当時、巷には「地味」とか「趣味的」とかおよそ好意的とはいえないレヴューばかりが溢れていた様に記憶しています。

・・・が、今改めて聴いてみると、まずは収録されている楽曲のクォリティの高さと録音の優秀さに驚かされます。特に各パートの音像のクリアーな事といったら、何だか再生装置の方がブラッシュ・アップされたんじゃないかと感じる程。

ここで展開されている Steve のドラム・プレイは、まさに“オトナの余裕”を感じさせる、渋くて力強くて音楽的で確固とした存在感に満ち溢れたもの。派手なインター・プレイはありませんが、聞こえて来るのは真に“プロの凄味”を感じさせるフレーズばかりです。

どのナンバーも聴き応え充分でお薦めなのですが、特に2曲目に収められた "My Little Brother" で聴く事の出来る短いドラム・ソロは、彼にしか叩き出せない、本当に“歌心溢れる”ものだと思います。

もし機会があれば、耳を傾けてみて下さい。

ガッドアバウト

ガッドアバウト