蒼風閑語

ll_bluewind_llのひねもすのたりのたり

いつのまにやら本の虫

今日は雨。見れば結構シッカリした降り方ですし何より風が強くて歩きにくそうなので、残念ながら神保町歩きは中止です。

こんな日は一体何のためにあるのかと言えば?・・・そうです、その通り。本と音楽とコーヒーのためにあるのです。

という訳で午前中こそ少しばかり部屋を片付けてみたりしていましたが、午後からはLPやCDを取っ換え引っ替えしながら本棚をひっくり返しては読みさしにしている本をアレコレと。

気まぐれに選ぶ音源については何枚をターン・テーブルに載せたものやら定かではありませんが、本の方は上手い具合に読み終えられたものが一冊ありました。

それは出久根達郎氏が1998年に発表したエッセイ集『いつのまにやら本の虫』(講談社文庫)。古本屋さんが書いた古本にまつわるお話を集めた本ですから面白く無い訳がありません。

全体は大きく3部に分かれており、その第1部は『東京中日新聞』紙上に連載されていたエッセイ・・・というよりも殆ど「ショート・コラム」といった風情の短文集です。

なにしろわずか400字程度の文章なので1ページに1話ずつという構成になっているのですが、これがおよそ100ページあまりに渡って続くとなるといささか読みにくい。

そこで、ある程度長さのある作品が収められている第2部から読み進める事にして、第1部は時折振り返っては拾い読みをする・・・という方法で読了に至った一冊でした。

内容については上記の通りで無類の面白さ。一見多愛の無い内容に見えても心の隅っこに何かしらの余韻を残すところが、やはりコラム名人の“名人たる所以”なのでしょう。

いつのまにやら本の虫 (講談社文庫)

いつのまにやら本の虫 (講談社文庫)