蒼風閑語

ll_bluewind_llのひねもすのたりのたり

良質な古書籍

今日の空模様は全体に雲が多め、湿度も若干高めでやや蒸し暑い感じもありましたが、雲の群れがよく映える夕暮れ時はなかなかの美しさでした。

すっかり暗くなってから帰宅すると、ドアポストの中には郵便局からの不在通知書が。先だってネット古書店で注文しておいた書籍が届けられた様です。

カウンター受け取りが可能になる時刻を待ってから出向いてみると、さすがに函入上製本の2巻組だけあってズッシリと重みがあります。

いそいそと帰宅して早速荷物を紐解いてみれば、中から現れたのはよく読み込まれた感じがする現代数学の概説書。書籍自体の刊行年は随分と古いものなのですが、割と最近の増刷版なので函にイタミはあっても本体にそれほど古びた感じはありません。

しかしただ書架に死蔵されていたのでは無い証しとして、所々メモが挟み込まれていたり直接鉛筆で書き込みがしてあったり。全体的な状態をチェックしながら各所の書き込みやメモを見ていると、この本の前オーナーはかなり数学に造詣の深い方だったのかな・・・という気がしてきます。

よくある、最初の数ページとか「まえがき」だけに無意味な下線・傍線が引いてあったりするパターンではなく、よく考えた上での疑問を端正な文字で簡潔に書き付けている感じが何とも好ましい。

経験から言えば、こういう佇まいを持った“良質な書き込み”は、学術書を読み進める上で「助け」にこそなれ、決して邪魔になったりはしないものです。

こういった本を手にすると、「よ~し、前オーナー同様に頑張って読むぞ」という前向きな気分になって来るから不思議。決して“新品同様のキレイな本”が“良い古本”では、ないのです。

現代数学概説〈1〉 (現代数学 1)

現代数学概説〈1〉 (現代数学 1)

 
現代数学概説〈2〉 (現代数学 2)

現代数学概説〈2〉 (現代数学 2)