蒼風閑語

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C言語ポインタ完全制覇

前橋和弥氏2001年の著作『C言語ポインタ完全制覇』(技術評論社)を読了しました。

今やポインタの解説に特化したC言語のテキストは数々ありますが、本書はそれらの中にあっても一頭地を抜いた存在感を放っている様です。

実際に読み始めてみると書いてある内容はかなりハイ・レヴェルなのに、文章があまりに親しみ易いせいか油断していると深く考える事無くついスラスラと読み進んでしまいます。

なので本書についてはプログラム・ソースが出てきてもそこで立ち止まらず、まずキリの良いところまで読んでおいてから再びソース・コードに戻って手を動かす・・・という読み方に終始しました。

とはいえ掲載されているサンプル・コードの数自体は決して多くなく、むしろコトバによる説明が簡単なコーディングで裏付けられる場合のみに限られており、本書の純然たる「文法解説書」としての立ち位置を明らかにしています。

そして本書を読み終えて一つ気が付くのは、コンピュータというただ正確さと愚直さと速さだけが取り柄の機械を相手に、なだめたりすかしたりしながら何とか思い通りに動かしたい、動いて欲しいと四苦八苦した挙句蓄積された“結果の総体”がC言語なのだという事。

これに比べれば、私達が日頃何気なく使っている「言語」の何と洗練されていることか・・・。ついそんな事にまで思いを至らせてしまう、何とも“深い所を突いてくる”一冊ではないかと思います。

C言語ポインタ完全制覇 (標準プログラマーズライブラリ)

C言語ポインタ完全制覇 (標準プログラマーズライブラリ)