再読
近頃またぞろこの本を引っ張り出してページを繰っています。
佐々木高政氏による英作文のロング&ベスト・セラー『和文英訳の修行 四訂新版』(文建書房)です。
さすがに購入してからもう何年にもなるし、書架に収まる暇がない位常用していた時期もあったので手には馴染んでいるのですが、いまだにこれを縦横に使いこなしているという実感はありません。
それ程に充実し目の詰まった内容である・・・という事にほかならないのですが、実は今読んでいる英語学習の書籍に本書が採り上げられていたので、再び読み直してみようかと思い立った次第なのです。
さて、この『和文英訳の修行』で最も価値があると一般に言われているのが、巻頭を飾る「暗唱用 基本文例集」です。私も本書を購入してから数年間はひたすらここにある500の例文を音読していました。
もちろん完全ではありませんでしたがそれでも何となく全体が記憶に残ったと思われた時点で残りの部分も読み上げて「読了」としていたのですが、哀しいかな反復を止めてしまうとせっかく数年掛かりで覚えた構文もいつしか忘却の彼方へと。
放っておくと錆びついていく一方の我が「英語脳」にオイルを注入しメンテナンスを施す意味合いからも、再び当文例集の音読を日課にしてみようかと思ったのでした。
それにしても、ただ装丁のクラシックな佇まいが気に入って買い求めた英作文のテキストが、こうも長く傍らにあって今もそこから薫陶を受け続けているというのは、考えてみれば不思議な話ではあります。
・・・やはり真に優れた良書というのは、そう簡単に古びてしまう程「ヤワ」なものではないのですねぇ。