蒼風閑語

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物性Ⅰ

2007年も残すところ3日となった今日、お馴染み“岩波講座 現代物理学の基礎”第7巻『物性Ⅰ―物質の構造と性質』を読了しました。

この分野についての本格的な成書を読むのは初めてと言っても良かったので、標準的な入門書として定評ある黒沢達美氏の『物性論―固体を中心とした』(裳華房)を併読したのですが、この本と『理化学辞典 第5版』(岩波書店)のお陰で随分スムーズに読み進める事が出来た様に思います。

では例によって全体の構成を御紹介しておくことにしましょう。本巻は全7章から成っており、執筆は第1章と7章が松田博嗣氏、2章と3章が恒藤敏彦氏、4章と5章が松原武生氏、6章については村尾剛氏の4名がそれぞれ筆を執られていました。

章立ての方はまず第1章が「素材としての原子の概観」、第2章が「陽子と電子の作る系」で第3章は「ヘリウムの物性」。続く第4章の「金属」から第5章「非金属系」と続いて第6章の「磁性」へ進み最後は第7章「乱れた系」で非周期系を論じる、といった流れ。

本講座で言えば『古典物理学』『量子力学』『原子核論』辺りの記述を総合したものに化学の基礎的な部分をミックスして一息に集約した様な内容で、これらを“理解”のレベルまで持って行くのはなかなか大変そうですが、これも何度か読み返しながら少しずつ判る部分を増やして行けば良いのでしょう。

サテ暫く時間を置いてから次は第8巻『物性Ⅱ―素励起の物理学』に移ろうか、イヤイヤ第6巻の『統計物理学』に取り掛かるのが先だろう・・・。今読み終えたばかりの本を前に、次なる読書計画を画策している年の瀬です。

物性 I――物質の構造と性質 (新装版 現代物理学の基礎 第6巻)

物性 I――物質の構造と性質 (新装版 現代物理学の基礎 第6巻)

 
物性論―固体を中心とした (基礎物理学選書)

物性論―固体を中心とした (基礎物理学選書)

 
岩波 理化学辞典 第5版

岩波 理化学辞典 第5版