蒼風閑語

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「食」のスペイン語

高垣敏博氏2010年の著作『「食」のスペイン語』(東洋書店)を読了しました。

同じ出版社からの寿里順平氏『スペイン語とつきあう本』に引き続いて読み始めたのですが、寿里氏の著作がやや辛口の内容だったのに比べるとこちらは至って柔らかい筆致で、最後まで愉しく読み終える事が出来ました。

全体は大きく5つの章+αという構成になっており、内訳は第1章「スペインの食卓」、第2章「外で食べる」、第3章「各地の料理」、第4章「買い物・食材」、第5章「キッチンで」、そして最後に添えられた「レシピ編」というもの。

内容については、様々な「食」のシーンにおける会話例とスペイン料理や彼(か)の国の食習慣についてのエッセイが程よいバランスで混在している感じ・・・といえば読中読後の印象に最も近いでしょうか。

スペイン語の日常会話に慣れ親しみながらスペイン料理のイロハについても知識を仕入れてしまいましょう・・・というコンセプトは、旅行者にとってもきっと有益な情報となるのでは、という気がしています。

惜しむらくは、せっかくたくさん掲載されている料理の写真が全て小さくしかも白黒だった点でしょうか。オール・カラーとは行かなくてもせめて口絵にカラー写真でもあれば随分とイメージが広がったろうに・・・とは誰しもが思うところではないかと。

ともあれ、「愉しみながらスペイン語に親しむ」という点では二重丸を付けられそうな一冊でした。たまにはこんな本をユックリと味わってみるのもイイものです。

「食」のスペイン語

「食」のスペイン語